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1ON1について④

本社建屋 1on1
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部下側への施策がとても大切

前回のブログで書いたが、マネジャー向けた施策(研修)だけを行っても、1on1が組織の習慣になっていかないことが多い。その理由の1つに、質問を受け慣れていない部下の存在が挙げられる。(前回ブログ

指示命令型のマネジメントに慣れている多くの部下にとって、マネジャーから質問を受けることは戸惑いやプレッシャーを感じたり、考えることに面倒さを感じたりする。そのような状況では、マネジャーも部下も1on1が持っている良さを得づらい。

多くのビジネスパーソンは、他者から質問を受けることで得られるベネフィット(利益)を感じたことがない のである。質問を受けることに価値や意義を見出せないのは当然である。

1on1を導入する際には、マネジャー側だけに施策(1on1研修など)を考えるのではなく、部下側に「質問を受ける価値や利点」を知る機会を提供したほうが良い。 ※案内文だけでは効果なし

それがマネジャーにとって助け船にもなり、1on1が組織の習慣になっていく可能性を高める。

1on1を導入する目的を押さえ”続ける”

1on1を組織の習慣にするために、マネジャー向けに研修を行う場合、注意したいことがもう1つある。

1on1に関する研修では、質問や傾聴のスキルを学ぶことが多い。

そのとき、”1on1を上手にやる” ことが目的かのようにメッセージを出さないことだ。コーチングやカウンセリングをかじったことのある人が特に注意したい点だ。

”かじったことのある人”は、質問や傾聴のスキルを使って ”上手に” 対応しようとする。そして部下は、マネジャーが ”テクニックを使って、私の話をとりあえず聞いている” と感じ取る。いずれは1on1がしらけた場になる・・・。

1on1を企画する人は、何のために1on1を組織に導入するのかという目的を、現場から「くどい」と言われる位、繰り返し言い続けることである。マネジャーには、「1on1は部下のための時間」というコンセプトを押さえていれば、質問や傾聴のスキルの活用は後回しでOKだというメッセージを伝えること。

最後に、1on1の目的を6つ紹介している書籍を紹介する。

本間浩輔・吉澤幸太『1on1ミーティング』ダイヤモンド社 2020年

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今回のまとめ:1on1を導入する際は、①マネジャー側だけでなく部下側にも施策を用意すること ②導入目的をくどいほど示すこと