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マネジメント能力向上のJIRON(持論)

young pensive black man with dreadlocks reading book 課長に役立つ知識
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この記事は約6分で読めます。

私には、自らミドルマネジャー(課長・部長)を担ってきた実務経験と、外部コンサルタントとして各企業にお勤めのミドルマネジャーの支援に携わってきた経験がそれぞれ約15年あります。

加えて、素敵な(大学の)先生方と協働し、世の中のミドルマネジャーの皆さんに役立つソリューションを開発するという経験もさせてもらいました。(→ プロフィールへ

そんな経験から思うのは、

*アカデミアの皆さんから教えていただいた科学知
*現場のミドルマネジャーの皆さんから教えていただいた実践知
*自分の経験知

といったものの全てが、自らのマネジメント能力向上の肥やしになるんだなぁということです。

以下は、これまでの経験をもとにした、マネジメント能力を向上させるための私の持論です。3つあります。

応援団長
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よろしければ、ご一読ください。

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① 科学知(理論、セオリー)を知る

ビジネスを学問として扱っているのが経営学です。経営学の中には沢山の●●論があります。全てを知っているわけではありませんが、興味深い理論がたくさんあるんです。

どうせ ”机上” の理論だろ!と一笑に付すにはもったいなすぎる「知」が存在しているんですよ。ミドルマネジャーの皆さんにとって、特に有益と思われる科学知に、

*リーダーシップ論
*モチベーション論

といったものがあります。

マネジャー/リーダーとしてどのように振舞えば良いのか、部下のモチベーションを上げるためには何をすれば良いのかといった、多くのミドルマネジャーがお持ちの悩みへのヒントが結構あります!つまり、皆さんのマネジメント能力を向上させてくれるヒントが多く存在しているのです。

巨人の肩に乗っからない手はないですね。

そもそも理論ってどう役立つのでしょうか。鈴木・服部(2019)では、予測と説明に役立つと言っています。

予測とは、自分が行おう(or 控えよう)としている行動により、相手がどのような反応や行動を見せるかどうかの想像ができたり、その精度が増したりするということです。

つまり、部下に対して・・・のように接すれば〇〇のような反応が期待できるとか、~~~のような接し方だと▲▲のようなことになってしまうなどと予測ができ、部下に対して効果的な接し方となる確度が高まるということです。

もうひとつ、説明というのは、想定外の出来事の原因を分析し、理由を説明することに役立つということです。これができれば、想定外に良い出来事であれば再現性が増しますし、想定外に悪い出来事であれば再発を防ぐことになりますね。

”説明ができる”ことは、特に後継ぎを育てる際に有効です。自分がいなくなっても、この組織をしっかり運営してくれる人材を育てる際に、効果的/効果的でないマネジメント方法を理由を含めて説明できることは人材育成の観点でかなり重要なことだと思います。

一度、しっかりと科学知(理論、セオリー)を学ばれてはどうでしょうか。

② 実践知を整理する(定期的に)

①で言ったことを反するようですが、理論は理論。つまり、ミドルマネジャーとして大事なことをすべてを網羅しているわけではありません。

さらに言えば、業界や会社規模、職種、雇用形態、部下の特性・価値観などの影響により、どの組織でも誰が相手でも通用するようなマネジメント方法はないといっても過言ではないと思います。

そこで大切なのが、皆さん自身の経験(実践知)です。

*うちの会社では、・・・というやり方のほうが理解されやすい
*この部署では、~~~という言い方はしないほうがいい
*Aさんのようなタイプには、こんな伝え方のほうが納得してもらいやすい

といった、直感的・感覚的に良いと思われるマネジメント方法が皆さんの中にきっとあると思います。そして、そういった直感は概ねズレていないと思います。

直感は明文化されているものではありませんので、皆さん自身の頭の中に潜在的に保存されているノウハウなのかもしれません。

それを明文化まで行かずとも、自分の頭の中のタンスに整理して入れておくことで、再現性をもったマネジメントができたり、①で上記したことと同じく、後継者を育成する際に役立ったりすると思います。

そういった状態になるためには、自分のマネジメントを定期的に振り返ることが有効です。つまり、自らのマネジメントに関して経験学習を行うことです。(→ 経験学習に関するブログ記事へ

応援団長
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経験学習を面倒を思わずにやってみませんか。

毎週1回、15~30分間だけでも「今週のマネジメントで何が学べたか/学べなかったのか」「来週はどんな挑戦をしてみるか」を考えてみると、マネジメント能力は確実に向上すると思いますよ。

③ 部下の見方を知る

皆さんが「俺はちゃんとマネジメントをやっている!」と言い張ったところで、皆さんの部下が

ちゃんとマネジメントされている気がしない・・・

とか

あのマネジメントのやり方は嫌いだ。やる気が失せるだけだ

と思っているようであれば、それはマネジャーとしては問題あり、ですね。

残念なことに、部下が上司にフィードバックをしませんよね。外資系の会社はUpward feedback(上司へのフィードバック)のような仕組みを持っていますが、日系企業にはない・・・・。

とすれば、我が国には「裸の王様」のようなマネジャーが存在していても不思議ではないですね。

仮に「裸の王様」であったとしても、部下や組織に迷惑をかけていないのであれば救いようがありますが、そうでない場合は何とかしたいところです。

しかも、面倒な「裸の王様」って(「私はちゃんとやっている」と)認知が他者とズレていることが多い気がしますので余計に厄介です。

それを何とかするには、部下の見方を知る機会の提供が有効なことが多いです。いわゆる360度評価です(多面観察などとも言う)。

以前に、このブログで360評価のことを色々と書きましたので、よろしければそちらを読んでいただきたいのですが、360評価は、正しく使用すれば、「裸の王様」のようなマネジャーに限らず、全てのマネジャーにとってマネジメント能力を向上させる有益な手段です。(→ 360評価に関して書いたブログ記事へ

応援団長
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”正しく使用すれば” という点が結構な肝で、正しく使用していない企業は結構多いです。

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今日は、私の経験から考える「マネジメント能力を向上させる方法」を3つ紹介しました。

皆さんにも「マネジメント能力向上持論」があれば教えてください!人事の方でも、現場マネジャーの皆さんでも大歓迎です。( hanabishi.708@gmail.com まで)

皆さんとインタラクションできれば嬉しいです。

参考図書:鈴木・服部 著『組織行動 組織の中の人間行動を探る』有斐閣(2019)