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コラム:似た境遇の人、異なる境遇の人、どちらと話したいですか?

photo of man sitting in front of people 課長に役立つ知識
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あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

さて、本年1回目の記事は、他者とのやりとりを通じての学びに関する話です。

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ミドルマネジャーに限定した話ではありませんが、参加者同士でのやりとり(議論・対話)のある研修を実施した後のアンケートに、受講者の皆さんから以下のようなことを書かれることがあります。

*普段話したことのない部署の人と話せて良かった
*違う部署の人との話が新鮮で良かった。参考になる話が多く聞けた

これらは、仕事上の関係性が遠い人たちとのコミュニケーションを肯定的に受け取った感想です。

一方で、こんなコメントもあります。

*できれば、同じ部門/職能の人たちと話をしたかった
*部門/職能が違うと、単に話すだけ/聞くだけで終わってしまい、参考になるものが少なかった

こちらは、仕事上の関係性が近い人たちとのやりとりを希望していた皆さんの感想です。

さて、皆さんはどちらにコメントに共感・同意されますか?

どちらの側にも「ベネフィット」と「リスク」の両面がありますね。研修を企画・設計する側はその両面を踏まえて、どちらかを選択しています。

では各々について、どのような「ベネフィット」と「リスク」があるのかを整理してみます。

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いつもとは異なるメンツとのやりとり

他事業部や他職能など、普段は接点がない人、仕事上で共通点や類似点の少ない人とのやりとりのベネフィットには、以下のようなものが挙げられます。

〇 相手の発言内容が新鮮なので、興味をもって聞ける
〇 相手の話から、今までにない観点やヒントが得られる

〇 相手の話について知らないことが多いので、自然と質問が発生する。それにより聞かれた側の気づきや頭の整理になることがある
〇 自社の状況に関して、視野が広くなったり、俯瞰的になったりする(かもしれない)
〇 自分の ”当たり前” がそうではないのかもしれないと気づくことがある

反対に、リスクはこのようなものがあります。

似たようなメンツとのやりとり

同じ事業部や同じ職能のように、仕事上での関係性が近しい人たちとのやりとりに関して、ベネフィットは以下のようなものが想像できます。

〇 余計な説明や補足説明が不要なので、本題に時間をかけられる
〇 話し手のやっていることや経験談を自分のケースに当てはめやすい

一方のリスクはこんな感じです。

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いかがでしょうか?

応援団長
応援団長

私見では、いつもとは異なる人とのやりとりのほうが、”持ち帰り” が多そうな気がします。

こうやって書き出してみますと、昔から「異業種交流」の機会を要望されるクライアントが多かったのですが、その理由が何となく整理できた気がします。

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学びという点から言うと、自分と ”異” な人であっても、”同” や ”似” な人であっても、相手の話を聞くときに以下の2点は押さえておきたいところです。

このブログで何度も出てきていますパワーワード「経験学習」。(→ 関連する記事へ

人の学びや成長にとって大切な概念ですが、経験から学ぶときの ”経験” は、自分が直接・間接に経験したことでなくても、他者の経験も自己成長の肥やしになるという点を自覚しておきたいですね。つまり、研修の場に限らず、話す相手の経験談が、自分の学びや成長に役立つということです。

そう考えますと、他者の話を興味や関心をもって聞けるといいですよね。

そして、他者の話を ”抽象化” して聞くことも意識しましょう。自分とは ”異” な人の話は、個別具体的なものであればあるほど、自分には当てはまらないように思えますが、それを抽象化(一般化)してみることを意識する。つまり、

と考えてみることです。

そして、そのあとに自分のケースに落とし込んでみること(具体化)です。

応援団長
応援団長

”異” な人の話を「自分には関係ない話だ」と思い込み、全く自分事化をしようとしない人をたまに見かけます。残念なことです。

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今日は、他者とのやりとりを通じての学びに関する話でした。

集合研修時に、ミドルマネジャーの皆さん同士の会話を聞いていて思うのは、同じ部長・課長どうしで話をする機会がほぼないんだなーということです。

集合研修は、組織の掲げる戦略を遂行する上で必要なことを学ぶ機会(なはず)です。人生の中の貴重な時間を割いて参加しているのですから、学びを自ら取りに行く姿勢は持ちたいところです。学びは、やりとりの相手がどんな人であろうが自分次第で得られるはずです。

2024年、ミドルマネジャーとしてどれだけのことを学び、そして成長できるか。学びを自ら創造していきましょう!

応援団長
応援団長

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