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ミドルマネジャーを担う魅力を発信だ!

positive businesswoman doing paperwork in office 課長のための部屋
Photo by Andrea Piacquadio on Pexels.com
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先日、立教大学の中原淳先生と「管理職養成」をテーマに対話の機会をいただきました。(中原先生、ありがとうございました!)

対話の模様は、8月中に(パーソル総合研究所のウェブサイト上で)公開予定です。公開されましたら、このブログでも改めてご案内します。

管理職研修を企画される立場の皆さまはもとより、現場のミドルマネジャーの皆様にも参考にしていただける内容になっていると思います。是非ご覧になってくださーい!

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対話は、特に新任マネジャーの養成に関する内容だったのですが、対話の後半にどうしても中原先生に伺いたかったことがありましたので質問させていただきました。その質問とは・・・

”管理職になりたくない” という言説に関して、先生はどのようにお考えですか

ということです。

応援団長
応援団長

この点につきましての中原先生のお考えは、先生ご自身のブログ(→ 中原先生のブログへ)でも述べられていますが、今回の対談でのお話も大変興味深いものでしたよ!

ずっと以前から、様々なメディアで「管理職になりたくないという人が増えている」だとか、「最近の若者は管理職になりたくない」だとかいったニュースがちょいちょい流れてきますね。

この手のニュースを見聞きするたびに、

これって、どういう人たちに聞いたデータなの?

と思ってしまいます。そして、こう思います。

組織として「この人には管理職になってもらいたい」と思っている人が「なりたくない」と思っているのなら問題

だなぁと。

裏返せば、(言い方は悪いですが)どうでもいい人が「私は管理職になりたくないです!」と言っているのであれば、「へ~、そうですか」で済ませられるということです。

この点を(意図的に)無視して、「管理職は大変な仕事だ」とか「管理職になるだけ損だ」のような空気感を蔓延させるような情報を撒いて誰が得するのかと思ってしまいます

色々と失うものがありますよ、きっと。例えば、

*いま、マネジャーを志している人の気持ちに水を差す。「マネジャーを目指さない方がいいんじゃないだろうか」と
*今後のキャリアをまだ考えていない人に「マネジャーという選択肢は無しだな」という先入観を与える
*現役マネジャーのモチベーションが下がる 「そうだよな。俺たち、しんどい役回りだよな」

などなど。

応援団長
応援団長

これって、組織にとっては良いことなしですね

メディアの影響力、恐るべしです。

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いつの時代でも、ミドルマネジャーが組織運営のカギを握っているという点を踏まえたうえで、上記のようなミドルマネジャーにまつわる負の風潮を変え、ポジティブな方向へ持っていくためには、ミドルマネジャーの魅力を誰かがそれぞれの立場でできることをやっていかないといけませんね。

★組織としてできること

中原先生がおっしゃっていましたが、最近の風潮である、新人・若手の待遇改善(給与アップ)だけでなく、管理職の待遇改善も考えないといけないですね。

実際にそうやっている会社が出てきていますね。(→ 関連する日経さんの記事

他に、こんなアイデアはどうでしょうか。

どこの会社にも、輝いているミドルマネジャーがいると思います。そんな人たちにインタビューして、社内外に「ミドルマネジャーのやりがい・価値」に関する情報を発信するのはどうでしょうか。

日経新聞さんに「私の課長時代」という記事がありますが、現役のミドルマネジャーにスポットを当てて、「ミドルマネジャー奮闘記」みたいな記事を社内外に発信できないものですかね。

応援団長
応援団長

うちの会社でそんなことをしたら、従業員から反論が来たり、現場がしらけたりしそうだと感じられる場合、ミドルマネジャー云々ではなく、組織文化に大きな病巣を抱えている気がします

★ミドルマネジャー自らができること

ミドルマネジャー自身、自らの仕事や役割の魅力ややりがいを周囲に発信していってはどうでしょうか。

中原先生の著書『駆け出しマネジャーの成長論』(中公新書クラレ,2014年)の中で、

「マネジャーになって良かった」という考える人は多い

と書かれています。

私はこれまで、多くのミドルマネジャーの皆さんと会ってきましたが、「管理職になんてなりたくなかった」とか「嫌なので、直ぐにでも管理職を降りたい」とかいった発言をした人は至極わずかです。(ゼロではないです)

むしろ、「大変さも感じているが、やりがいを持って取り組んでいる」という方々がかなり多いのではないかと思っています。(この記事を読んでくださっているミドルマネジャーの皆さん、どうですか?)

そのやりがいを言語化して、キャリアに関して部下・メンバーと話をしているときなどに、”ポロリ”と語ってみてはどうでしょうか。(やりがいの押し付けにならないように)

言語化するには、まずは自分のマネジメントを内省する機会を自分で用意するのが良いかもしれません。(現状、そんな機会を用意してくれる会社ってあまりないと思いますので・・・)

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やりがいを見失いかけているミドルマネジャーの皆さん

確かに、管理職・ミドルマネジャーをめぐる環境はポジティブなものばかりではありませんね。

(参考)
少し前になりますが、パーソル総合研究所のウェブサイトで「中間管理職の受難」というタイトルで、情報を公開しています。その中で、管理職をめぐる環境も整理されています。(→ 関連サイトへ

ミドルマネジャーに限らず、誰しも先の見通せない状況下で解決策や打開策が見つからないままでは「お先真っ暗」と感じ、モチベーションが下がってしまうのも理解できます。

しかし、ミドルマネジャーの皆さん、皆さんの抱える悩みや課題の解決策や打開策は本当にないのかという点はじっくり考えてみませんか? そして、解決策や打開策を探すことに少し時間を取ってみませんか?

解決策や打開策のヒントはきっとあちこちに存在しています。書籍の中にあるかもしれませんし、周囲のマネジャーの経験の中、上司の考えの中、あるいは社外のミドルマネジャーの皆さんの経験の中にあるかもしれません。(このブログもお役に立てると嬉しいですが・・・)

忙しいことを言い訳にせず、まずは自分からそれらを探しに行く姿勢と行動が必要です。

解決策や打開策のヒントが得られれば、気分が少し楽になれますし、やってみて効果があればきっと自信がつきます。そうすれば、マネジメント職へのやりがいも増すと思いますよ。

応援団長
応援団長

答えが無数にあるマネジメントの世界だからこそ、トライしてみる価値のある策も無数にある