「研修でのグループワークは不要です」

と言う人がいます。「グループワークなんぞ、やっても意味はない」と。他の誰かと会話をしても、自分の想像していること以上の内容は(相手から)出てこないからというのが理由らしいです。

本当にそんなことがあるのでしょうか
そういった発言をする人に出会うと、色々と疑問やアイデアが湧いてきます。
■相手が自らペラペラと話してくる内容が、あなたの「想像の範囲内」であれば、それ以外のことをあなたから質問すれば、”範囲外”のことが聞けたのではないのですか
■あなたの質問に対する相手の回答が「想像の範囲内」である原因は、あなたの質問自体があなたの「想像の範囲内」だからなのではないのですか
■あなたの質問が限定質問だから、相手から「想像の範囲内」の話しか出てこなかったのかもしれない。拡大質問をして、相手に自由に話してもらえば、”範囲外”の話が聞けたのではないですか
■あなたからは、他者にとって”想定外”と思われるような話を提供したのですか
■あなたが知りたいこと・学びたいことについて、「〇〇に関する話はありませんか」とか「〇〇について話しましょうよ」という働きかけはしたのですか
■あなたは、そもそも他者や他者のやっていることに興味・関心がないのかもしれませんね(上っ面のコミュニケーションはしているかもしれませんが)
■あなたは、そもそも「他者の経験から学びを得る」という思考がないのかもしれませんね
他者の経験を自らの学びに変換できる人がいます。そういう人は、熱心に根掘り葉掘り、相手に質問を投げかけます。なので、こういった人のいるグループのグループワークは活発です。

恐らく、「グループワークなんて意味がない」と思っている人のいるグループは大抵の場合、静かだと思います。最初は活発で合っても、その人の姿勢・雰囲気が他メンバーに伝播して、皆が徐々に静かになってしまう・・・。
「グループワークに意味はない」とか「グループワークが想像の範囲内のやりとりになりがち」とかいう類いの発言をする人は、「そうなるのは私のせいではない。私以外のメンバーのせいであって、自分は被害者だ」と思っているかもしれませんが、あなたも「想像の範囲内」のやりとりを作っているメンバーのひとりであるという自覚をもってほしいところです。当事者なんです。
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多くのミドルマネジャーはそんなことはありません。管理職研修などで同じレイヤーの人たちと会話することを喜んでいますし、楽しんでおられます。

ただ、ごく一部に、今回ご紹介したような「学ばない人」がいます。そんな考え方や姿勢を持った人がピープルマネジャーを務まるのかどうか不安です。グループワークではありませんが、部下とのコミュニケーションにおいて、
「想像の範囲内」のことしか言わない部下を”つまらない”と評価する
のではないかと。
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