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目標設定は SMART+伝え方

coaching モチベーション
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先日のブログで、振り返りを行うことの大切さを書いた。(→該当する記事

振り返る人のイラスト(男性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

私自身、現在メンバーと面談を行っているが、成果だけの振り返りにならないように心がけている。

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さて、振り返りが終われば、次は今期の目標設定が待っている。

モチベーションの観点から、部下との目標設定は大事ですよという記事を書いたことがある(→該当記事)。

皆さんはどうだろうか。目標設定にどの程度の意識を持っているだろうか。

SMART

目標設定をするときのポイントとして、SMART(スマート)という考え方がある。研修で学んだことがあるという人も多いだろう。

提唱者により少し違いはあるが、概ね以下のような内容だ。

S(Specific):目標は抽象的でなく、具体的であること
M(Measurable):測定可能であること。できる限りの定量化を
A(Achievable):達成可能なものであること。背伸びして届く程度が理想
R(Related):上位組織の目標の達成に関連するものであること
T(Time bound):期限があること

感心している人のイラスト(女性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

前期に部下と握った目標を見直してみて、SMARTの関連で改善の余地があるそうであれば是非!

重要な仕事として、部下にパスを出す

もう一つ、目標設定に関して、ぜひ実践されると良いポイントがある。

それは、目標や仕事の伝え方/与え方に関するものである。

先ほどお伝えしたSMARTを意識して目標を設定できたとしても、それを一方的に「はい、これ頼むわ」と部下に言い渡すだけではもったいない。

上手なマネジャーは、目標や仕事の伝え方/与え方を工夫している。

この点に関しては、名古屋商科大学大学院(MBA)の高木晴夫先生が書かれた『プロフェッショナルマネジャーの仕事はたった1つ』が参考になる。

高木先生が、世の中で活躍しているマネジャーを調べて分かったこととして、優れたマネジャーは人や組織を動かす基本を理解・実践している(だけである)とおっしゃっている。

どういうことか。

優れたマネジャーは、部下が持てていない認識を部下が持てるようなメッセージを提供している(先生は、「彼/彼女らは、部下に情報を配っている」と表現されている)とのこと。

部下が持てていない認識 とは以下のようなもの。

*なぜその仕事を私が担当するのか?
*いま(会社や職場は)どんな状況で、その仕事はどんな意味(や価値)を持つのか?
*その仕事はどう評価されるのか?
*上司は何を考えているのか?(私を役立てようとしてくれているのか)

感心している人のイラスト(男性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

これらの認識を部下が持てるように、目標や仕事を与えるとき/任せるときにメッセージを出すことが重要なのである。

誰かの・何かの役に立ちたい

職務設計論という理論があるのだが、モチベーションの高い仕事の特徴の1つに「職務重要性」というものがある。

それは、「人は自分の担っている仕事が組織にとって重要なものだと感じられているとモチベーションが高い」ということを示している。

高木先生のおっしゃっていることはそこに関連づけられる。

部下は、

自分という人間が担当している仕事が・誰かの・何かの役に立っていると感じられると頑張ろうと思うし、頑張れる

のである。

この点は、パーパス経営、エンゲージメント、ウェルビーイング、働きがいといった、最近の経営・人事界隈のバスワードにもつながる要素である。

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目標設定面談では、SMARTの要素を押さえるだけでなく、部下への目標の伝え方/仕事の与え方も大切にして、部下が少しでもやりがいをもって、気持ちよくスタートできるように応援しましょう!

運動会のスターターのイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや