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目標を覚えていますか?

learning 1on1
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4月スタートの会社であれば、まもなく第一四半期が終わろうとしている。

1.自分の目標について

ここでマネジャーの皆さんへ質問です。

今期初めに立てた自分の目標を覚えていますか?

営業部門のように、売上や粗利のような数値を目標にしているのであれば、毎月・毎週(業種・職種によっては毎日)追われているだろうからきっと忘れようがないだろう。

定量的な目標になっていない(定量化しにくい)部門であっても、マネジャーともなれば、「自分(自部門)の目標を覚えていない」という答えをする人は少ないだろう、たぶん。

もし「覚えていない」というマネジャーがいれば、追加の質問です。

普段、何に向かって人や組織をマネジメントしているんですか?

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2.部下の目標について

次の質問です。

今期初めに部下と握った目標を覚えていますか?

目標を一言一句暗記するまでは必要ないが、常に部下の目標を確認できる状態にしておくことが大切である。

そして、マネジャーだけで確認していても仕方がない。部下とできるだけマメに進捗を話し合うこと。

  • 部下とは業務の進捗管理についてマメに面談しているよ

という場合、以下の点はどうだろうか?

進捗管理の話し合いは、期初に握った「目標に対して」が基本であって、目標以外のことで、最近うまくいったこと/うまくいっていないことに関する話題は二の次で良い。

なぜ「目標に対して」を強調するのか・・・・。

それは、残念ながら、期初に立てた自らの目標を、期末まで省みることがないという部下は一定程度存在する から。

※皆さんが部下だった頃を思い返してみるとどうだろうか。

期初に握った目標に関して、期中に殆ど触れることなく、あっという間の半年間を過ごす・・・。

そして、期末に部下自身もマネジャーも記憶がおぼろげな振り返りを行い、それをもとに評価が行われる。

コロナ以前の労働環境であれば何とかなっていたかもしれないが、ますます働き方の多様化が進む中で、こんなマネジメントをしていれば、部下からの信頼は徐々に薄れるだろうし、部下のエンゲージメントが高まるはずもない。注意したいところ。

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3.部下の能力開発目標について

上記2番で言っている目標は “業務目標” のこと。多くの場合、部下ともう1つ目標を握っているはずである。

そこで最後の質問。

部下と話し合った能力開発目標(キャリア目標、成長目標)を覚えていますか?

能力開発目標は評価に直接的に影響しないし、やってもやらなくても誰からも何も言われないことが多いので、これまではマネジャー側も部下側も大して気にしていなかったのではないだろと推察される。

そして、一年前と能力が変わっていなくても、年功賃金・職能資格制度下では給料が上がっていたので、能力開発を気にするマネジャーも部下も少なかったのだろう。

これからの時代は違う。

これまでにこのブログでも書いているが、一人ひとりにキャリア自律が求められる。(→関連するブログ記事へ

環境変化に適応し、自分を成長させていかないと、仕事を失ったり、不本意な職業人生を送ることになる。

だから、能力開発目標の設定はいい加減にはできない

キャリア形成は、基本的には自己責任なのだが、マネジャーとしては部下を支援する役割・責任がある。例えば、部下が立てた能力開発目標の達成に向けて、適切な仕事をアサインしたり、研修を紹介したり、人を紹介したりするなんてことが必要になってくる。

自己啓発意欲や成長意欲のない部下とは時間をとって真剣に話し合う必要がある。

多くの場合、業務目標に関しては、マネジャーも部下も意識しているが、能力開発目標に関しては置き去りになりがちであるという点に注意したい。

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今日は、期初に立てた目標に関するリマインド的な話でした。

目標に関して、PDCAサイクルを期初と期末という半年間(一年間)で大きく回すのではなく、頻度を上げて、小さく回しましょう!

なお、その際に(いま流行りの)1on1は活用できます。

1on1の基本コンセプトは「部下のための時間」。雑談やキャリアの話など色んな話題があっていいのだが、「期初に握った目標」に関する話題があってもいいのでは?

部下が「今日、特に話したいトピックはないです」なんていうとき、「じゃあ、ちょっといいかな」とこちらから期初に握った目標の話題について持ちかけてみる・・・。

それが「部下の内省機会」や「部下の成長支援」の場になれば、1on1コンセプトからは決して外れていない。(ただし、”業務の進捗管理” の場というフレイバーをさせ過ぎてはいけません)