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良い上司は何をしているか(PDCAの「P」後編)

課長に役立つ知識
この記事は約5分で読めます。

前回の続きです。(→ 前回の記事をご覧になる場合はこちらへ

前回と今回は、私がこれまでに担当したマネジャー研修で出たリアルな意見をもとに、

良い上司は、部下と目標設定に関して話し合うときや、部下に仕事を任せたいときに、どのようなことをやっているのか

について書いています。

前回は前編ということで、意見の数が多かったものを3つ挙げました。今回は後編です。前編で触れたものに比べると意見の数は減りますが、それでも複数の意見が出ていたものを4つ紹介します。

応援団長
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参考になるものもあると思いますよ。どうぞ、最後までお付き合いください!

1. 部下や仕事への姿勢を示す

前々回ブログ(→ PDCAの「D」、期中の関わり方編)でも、上司の見せる ”姿勢” という点は挙がったのですが、ここでも出ました。上司として、”姿勢” は重要と言えそうです。こんな意見が出ました。

部下に対する姿勢
* 話し合いができる(一方的でない)
* 目標達成方法を一緒に考えてくれる

* 早め早めに指示をくれる
* 「君と一緒に仕事がしたい」と言ってくれる
* 納得するまで説明してくれる
* 計画漏れなどに、質問で気づかせてくれる

仕事に対する姿勢
* 楽しそうにプランを示す
* 組織の将来像を熱く語ってくれる
* プランに上司自身の意思が入っている

”姿勢” と言いましても内容を見てみると、部下に対する姿勢仕事に対する姿勢、の2種があるようです。(勝手に分類してみました)

項目を俯瞰すると、部下の立場に立って話し合おうとする姿勢、組織をより良くしたい/良い仕事を成し遂げたいという姿勢が感じられます。

こういった姿勢が大切なのは、目標を話し合う場面/仕事を任せる場面だけのことではありません。毎日のことですね。

部下はマネジャーの皆さんの姿勢を感じ取ってくれているでしょうか。

応援団長
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私は反省するところが多いです。姿勢を心の内に秘めていては部下に伝わらない。言動として、もっと表出しないといけないかな。

2. 能力向上につなげる

部下の能力向上を考えての目標設定、業務アサインメントも重要なようです。こんな意見が挙がっていました。

* 難しい業務を任せてくれる
* 新しい技術が身につくような仕事を任せてくれた
* 能力に合わせたアサインをしてくれる
* 現状レベルより少し上のレベルで目標を設定する

一般に、人の成長を促す経験は、”背伸びして届くくらい” のレベルが良いと言われています。(高過ぎるレベル/容易なレベルの業務では成長につながりにくい)

どういった業務が部下にとって ”背伸びして届くくらい” に該当するのかは、普段から部下を観察したり、部下に関する情報を収集したりしていないと判断できないですね。

マネジャーとしては、部下の現有能力だけでなく、キャリア目標も良く理解し、組織目標と関連づけてながら、

組織目標の達成のためには、君に・・・・・をやってもらいたいんだ。それによって、●●ができるようになってもらえると嬉しいのだがどうだろうか。

と、”背伸びして届くくらい” な業務を持ち掛け、話し合うことが大切ということですね。

応援団長
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マネジャー自身が自らの成長目標をもっていると、部下と成長目標に関する話し合いをする際に、自信をもって臨めると思います。もちろん、目標の押し付けになってはいけませんけど。

3. 期待を伝える

上記した「能力向上につなげる」と関連すると思われますが、部下に期待を伝えることも重要なようです。こんな意見が挙がっていました。

* 期待を伝えてくれる
*「お前しかできない」と言って任せてくれる

”背伸びして届くくらい” な仕事を任せたいとき、部下によっては「自分にできるかな?」という不安を抱くことが想像されます。

そんなときに、「君だから任せたい」とか「君しか任せられない」といった言葉があると、部下は勇気づけられませんか?そして、嬉しく感じると思いませんか?

応援団長
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注意点としては、心に思っていないことを言わないことですね。マネジャーとしては、部下を信頼する気持ち、更に言えば、「人は本気になれば(何歳であっても)何でもできる」という思考、重要ですね。

4. 環境を用意する

ここまでに述べました「能力向上につなげる」「期待を伝える」とセットのような気がしますが、部下が伸び伸びと仕事ができる環境を用意してあげることも重要と言えそうです。こんな意見が出ていました。

* 仕事に集中できるような状況をつくってくれる
* サポート体制を示してくれる
* リソースに配慮した業務アサインをしてくれる
* 目標達成に必要な材料を与えてくれる

部下の能力向上を意図して、彼/彼女に”背伸びして届くくらい” な仕事を任せたいとき、期待を伝えるだけでなく、どんな困りごとが出てきそうか/困った時にどうすれば良いかを予め話し合っておき、必要な支援/環境整備を申し出る(&用意する)ことですね。

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今回も前回に引き続き、良い上司は部下とどう関わっているのかについて、PDCAの「P」、「目標設定時/仕事を任せるときのやりとり」について書きました。

応援団長
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前回・今回の内容を整理しますと、ポイントは計7つありました。

1.WHY:仕事の目的・意義を伝える
2.WHAT:全体像やつながりを示す
3.HOW:裁量を与える
4.部下や仕事への姿勢を示す
5.能力向上につなげる
6.期待を伝える
7.環境を用意する

この結果は、ちゃんとした定量的/定性的な分析手法を取ったわけではありませんが、現場マネジャーの肌感覚とズレたものにはなっていないと思います。どうですか。

まもなく年度が変わり、目標設定の時期がやってくると思います。参考にしていただけますと嬉しいです。

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次回は、PDCAの「CA」、良い上司は期末やプロジェクト完了時に部下とどのように接しているかについて書きます。3月に年度末を迎える皆さんにとって、参考になるような情報を提供したいと思います。

応援団長
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ちなみに、次々回は「悪い上司のやっていること」を取り上げたいと思います!