「人材育成・組織開発を考える部屋」にもお立ち寄りください!

良い上司は何をしているか(PDCAの「CA」編)

課長に役立つ知識
この記事は約4分で読めます。

直近3回にわたって、マネジャー研修で出会った現役マネジャーの皆さんの経験をもとに、「良い上司(課長)は何をしているか」をタイトルに記事を書いてきました。

今回はシリーズ最終回です。

マネジメントサイクルであるPDCAの「CA編」、期末の振り返り時やフィードバック面談時、プロジェクトが完了した時に、良い上司は部下に対して何をやっているかという話です。

今回の「CA編」は、「P編」「D編」と比較し、挙げられた意見の数も、(私が勝手につくった)カテゴリーの数も少なかったです。

この記事の最後にも書きましたが、ポイントは「パフォーマンス向上につながるCAになっているか」です。

では、どんなものが挙がったのか見ていきましょう。

*************

目標達成したとき/仕事がうまくいったときの言動

良い成果であったとき、良い上司は以下のようなことをやっているようです。

(ほめる)
* 皆の前でほめてくれる
* 「君だから良かった」と言ってくれる
* タイムリーにほめてくれる
(喜ぶ)
* 一緒に喜んでくれる
* 自分事のように喜んでくれる

(喧伝する)
* 「自慢の部下」と、自分のいないところで宣伝してくれる
* 成果を広く共有してくれる
* 成果を部下の手柄としてアピールしてくれる
* 賞に推薦してくれる
(その他)
* 課/チームの成果として喜ぶように計らってくれる

読み手のマネジャーの皆さんには「既にやっているよ」と言われそうなものばかりですね。補足するとすれば、

1.具体的にほめましょう!
2.目立たない業務を担ってくれたこと(人)もほめましょう!

ということでしょうか。

”ほめる” に限りませんが、フィードバックの基本は、具体的に伝えることですね。単に「良かったぞ!」「素晴らしい!」とだけ言われてもピンとこないことってありますからね。

※ フィードバックに関する参考図書

高難度の仕事や重要なプロジェクトのような、周囲からの関心が高いものだけでなく、そうでないもの(例:定型業務、後方支援業務)についてもほめたり、喧伝したりしてあげたいところです。

目立たずとも、組織運営上で大切な役割を担ってくれている人、しかも非正規雇用という人、結構いますよね。日常において、業務が滞りなく行われていることに感謝ですね。

応援団長
応援団長

人手不足の時代です。今いる従業員の皆さんを大切にしたいものです。

うまくいかなかったとき/目標未達成だったときの言動

反対に、うまくいかなかったとき、良い上司はこんな言動をとっているようです。

(プロセスを評価)
* 未達成時でも、プロセスを評価してくれる
* 結果だけでなく、プロセスも評価してくれる

(一緒に考える)
* 失敗したとき、一緒になって対策を考えてくれる
* 未達成時、上司自身も反省する

(フィードバック)
* 悪かった点に具体的なフィードバックがある
(その他)
* 未達成の際、再チャレンジさせてくれる

* 「お前でダメならしようがない」と言ってくれる

これらも、読み手のマネジャーの皆さんにとっては当たり前と感じるものばかりですかね。

「未達成時、上司自身も反省する」ことは、「P編」にも「D編」にも出てきました ”上司としての姿勢” に当たるのかと思います。

部下の未達成や失敗の原因について、自分のマネジメントに矢印を向け、部下との関わり方を反省すること。この意見が出たとき、私はちゃんとできているだろうかと考えさせられました。

応援団長
応援団長

できていないことが多いと反省。

その他

他にはこんな意見はありました。

労いの言葉がある
* 客観的に評価してくれる
* 次のステップについてアドバイスをくれる

まあ納得ですね。

*************

今日は「良い上司は何をやっているか」シリーズの最終回として、PDCAの「CA編」でした。

異動や退職、転職がなければ、部下との関係はこのあとも続いていきます。そう考えると、部下の将来を見据えた「CA」にしたいですね。

そのためには、モチベーションパフォーマンスの両方を考慮した「CA」にしなければなりません。

今回の「CA編」で挙げられたような言動にとっていれば、部下は

* 次も頑張ろう!
* 次はもっと頑張ろう!
* 次こそは頑張ろう!

と、モチベーション高まると思います。

ただ、パフォーマンスの向上にはつながるでしょうか。

次の機会(次年度)に、部下が高いモチベーションを保ちながら仕事に取り組んだとしても、前回と同じようなパフォーマンスしか出せないとしたら、部下は前回から成長していないとみることもできます。

部下の成長を支援し、パフォーマンスを高めさせるためには「CA」の場面で、

●この間の経験から何を学んだのか
●今後に何が活かせそうか

について、部下と話し合うことが重要です。これは、以前にこのブログで書きました「経験学習」を促すことにつながります。(→ 経験学習に関して書いた記事へ

”フィードバックは具体的に” と上述しましたが、加えて言うと、フィードバックは「ここが良かった/悪かった」という過去の話だけで終わらせず、今後にどう活かすかという未来の話もしましょう。

応援団長
応援団長

そうすれば、次に向けてモチベーションだけでなく、パフォーマンスも高まる「CA」になるでしょう。