直近3回にわたって、マネジャー研修で出会った現役マネジャーの皆さんの経験をもとに、「良い上司(課長)は何をしているか」をタイトルに記事を書いてきました。
今回はシリーズ最終回です。
マネジメントサイクルであるPDCAの「CA編」、期末の振り返り時やフィードバック面談時、プロジェクトが完了した時に、良い上司は部下に対して何をやっているかという話です。
今回の「CA編」は、「P編」「D編」と比較し、挙げられた意見の数も、(私が勝手につくった)カテゴリーの数も少なかったです。
この記事の最後にも書きましたが、ポイントは「パフォーマンス向上につながるCAになっているか」です。
では、どんなものが挙がったのか見ていきましょう。
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目標達成したとき/仕事がうまくいったときの言動
良い成果であったとき、良い上司は以下のようなことをやっているようです。
(ほめる)
* 皆の前でほめてくれる
* 「君だから良かった」と言ってくれる
* タイムリーにほめてくれる
(喜ぶ)
* 一緒に喜んでくれる
* 自分事のように喜んでくれる
(喧伝する)
* 「自慢の部下」と、自分のいないところで宣伝してくれる
* 成果を広く共有してくれる
* 成果を部下の手柄としてアピールしてくれる
* 賞に推薦してくれる
(その他)
* 課/チームの成果として喜ぶように計らってくれる
読み手のマネジャーの皆さんには「既にやっているよ」と言われそうなものばかりですね。補足するとすれば、
1.具体的にほめましょう!
2.目立たない業務を担ってくれたこと(人)もほめましょう!
ということでしょうか。
”ほめる” に限りませんが、フィードバックの基本は、具体的に伝えることですね。単に「良かったぞ!」「素晴らしい!」とだけ言われてもピンとこないことってありますからね。
※ フィードバックに関する参考図書
高難度の仕事や重要なプロジェクトのような、周囲からの関心が高いものだけでなく、そうでないもの(例:定型業務、後方支援業務)についてもほめたり、喧伝したりしてあげたいところです。
目立たずとも、組織運営上で大切な役割を担ってくれている人、しかも非正規雇用という人、結構いますよね。日常において、業務が滞りなく行われていることに感謝ですね。
人手不足の時代です。今いる従業員の皆さんを大切にしたいものです。
うまくいかなかったとき/目標未達成だったときの言動
反対に、うまくいかなかったとき、良い上司はこんな言動をとっているようです。
(プロセスを評価)
* 未達成時でも、プロセスを評価してくれる
* 結果だけでなく、プロセスも評価してくれる
(一緒に考える)
* 失敗したとき、一緒になって対策を考えてくれる
* 未達成時、上司自身も反省する
(フィードバック)
* 悪かった点に具体的なフィードバックがある
(その他)
* 未達成の際、再チャレンジさせてくれる
* 「お前でダメならしようがない」と言ってくれる
これらも、読み手のマネジャーの皆さんにとっては当たり前と感じるものばかりですかね。
「未達成時、上司自身も反省する」ことは、「P編」にも「D編」にも出てきました ”上司としての姿勢” に当たるのかと思います。
部下の未達成や失敗の原因について、自分のマネジメントに矢印を向け、部下との関わり方を反省すること。この意見が出たとき、私はちゃんとできているだろうかと考えさせられました。
できていないことが多いと反省。
その他
他にはこんな意見はありました。
* 労いの言葉がある
* 客観的に評価してくれる
* 次のステップについてアドバイスをくれる
まあ納得ですね。
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今日は「良い上司は何をやっているか」シリーズの最終回として、PDCAの「CA編」でした。
異動や退職、転職がなければ、部下との関係はこのあとも続いていきます。そう考えると、部下の将来を見据えた「CA」にしたいですね。
そのためには、モチベーションとパフォーマンスの両方を考慮した「CA」にしなければなりません。
今回の「CA編」で挙げられたような言動にとっていれば、部下は
* 次も頑張ろう!
* 次はもっと頑張ろう!
* 次こそは頑張ろう!
と、モチベーションは高まると思います。
ただ、パフォーマンスの向上にはつながるでしょうか。
次の機会(次年度)に、部下が高いモチベーションを保ちながら仕事に取り組んだとしても、前回と同じようなパフォーマンスしか出せないとしたら、部下は前回から成長していないとみることもできます。
部下の成長を支援し、パフォーマンスを高めさせるためには「CA」の場面で、
●この間の経験から何を学んだのか
●今後に何が活かせそうか
について、部下と話し合うことが重要です。これは、以前にこのブログで書きました「経験学習」を促すことにつながります。(→ 経験学習に関して書いた記事へ)
”フィードバックは具体的に” と上述しましたが、加えて言うと、フィードバックは「ここが良かった/悪かった」という過去の話だけで終わらせず、今後にどう活かすかという未来の話もしましょう。
そうすれば、次に向けてモチベーションだけでなく、パフォーマンスも高まる「CA」になるでしょう。
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