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アップもダウンもない

coaching キャリア開発支援/キャリア面談
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キャリアアップという言葉に強い違和感を持っています。

問い:キャリアに アップ と ダウン はあると思いますか?

あるとした場合、キャリアアップって何ですか? 昇進や昇格、昇給のことですか? 反対に、キャリアダウンは降格や給料が減ること?

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上記の問いに「YES」と答え、”キャリアアップ” = 課長になること と思っているのであれば、

部下のキャリア形成を支援すること=部下が課長になれるように支援すること

になるんですかね? これってものすご~く違和感ありませんか?

でも、こんな考えをもったマネジャー、世の中に結構いるんですよね。キャリア面談で「課長になるためにどうするか」を(一方的に)アドバイスするマネジャー・・・。

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なんでこんな考えになってしまうんでしょうかね。

私的仮説では、特に大手の企業に勤めていると、長期にわたる出世争いに(自然と)巻き込まれて、いつの間にか「出世=課長になることはめでたい(=課長になれないのは残念)」みたいな価値観になってしまうとみています。

アーメン

組織の中で階層上でアップする(上への動き)ことを良し(是)とし、それこそが理想のキャリア形成だという思考。これって、すっかり古いですよね。

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この思考をもちつつ、マネジャーとして部下のキャリア形成を支援することは、部下にとってはかなり不幸な状況かもしれません。不幸までいわずとも、機会損失になっているかもしれません。

キャリアって、世の中にいろんな定義があるんですけど、かなりシンプルに言えば、

仕事に関連する、諸連続の経験

のことなんです。

キャリアって「経験」なんです。過去にどんな経験をしたのか、現在どんな経験をしているのか、これからどんな経験を積みたいのか。全部キャリア(の一部)です。

新入社員時の経験もキャリア(の一部)、若手時代に失敗したこともキャリア(の一部)、今の業務もキャリア(の一部)、・・・。我々の毎日の仕事が「キャリア」そのものなんです。

そこにはアップやダウンという概念はないと思います(持論ですけど)。※特に”ダウン”なんてあり得ないと思っています。ダウンがないならアップもないという理屈。

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そう考えると、部下とのキャリア面談はどんな時間にすれば良いでしょうね。

私たちマネジャーは、部下の親ではありません。部下の将来に全面的な責任なんて持てません。せめて、部下が自ら納得できるキャリア(経験)を積めるように、対話の相手になってあげることです。

部下が自らのキャリアを考える機会(場)をつくってあげて、それをどれだけ(部下にとって)良いものにできるか。そこに知恵を絞りましょう!大切なのは機会づくりです。

自ら機会をつくることのできる部下はまだまだ僅かです。マネジャーが意図的につくってあげましょう!

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