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フィードバックに関する本(読書感想①)

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タムラ・チャンドラー&L.グレーリッシュ著『フィードバックの真価』(ヒューマンバリュー, 2021年)を読了。

フィードバックと聞くと、評価面談を思い出すマネジャーが多そうだ。マネジャーから部下へ、今期の働きぶりや成果に関してコメントを提供する・・・。

ポジティブなフィードバックであれば気が楽だが、ネガティブなもの(部下にとって耳の痛い内容)を伝える難しさを感じる。

この本は、フィードバックを行う際のマインドセット(心の持ち方)や手法(伝え方)も書かれているが、これまでの(海外での)研究から生まれた知見を示しながら、「組織全体にポジティブなフィードバックをしあう文化を作ろう!」というトーンで内容が書かれている。この点は、立教大学の中原淳教授の書かれたフィードバック(Amazon)に関する本とは異なる点だ。

ポジティブなフィードバックを行う文化は大切なことだと思うが、実現難易度は相当に高いなぁ。

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印象に残った点

グロース・マインドセット(才能は育てられると信じている)の人と、フィックスト・マインドセット(才能は生まれつきのものであると信じている)の人を比較。グロース・マインドセットの人は、フィードバックを求め、学ぶ。対して、フィックスト・マインドセットの人は、批判的フィードバックを無視する 

つぶやき:年齢の高い人は学ぶ意欲が低い、なんて考えているのはフィックスト・マインドセットなんだろうな。自分に少し当てはまるわ。

*フィードバックを以下のように定義している。「個人や集団が改善・成長・前進することを唯一の目的として、自ら求めたり、他者から提供される、明確で具体的な情報」 

つぶやき:”自ら求めたり”、これって重要だけど勇気が必要だ。

*フィードバックのベースは信頼

つぶやき:だな。

*夫婦カウンセリングや離婚率の予測で有名なジョン・ゴットマン博士(+ロバート・レベンソン博士)の研究。長続きする夫婦のやりとりは、ポジティブな言動とネガティブな言動の比率が5:1。5:1を実践できていない夫婦の離婚を、90%の確率で予測できた。フィードバックも同じように、ポジティブなFB:ネガティブなFB=5:1で。

つぶやき:これって、夫婦のやりとりを職場に援用できるのか・・・・はなはだ疑問。

*フィードバックを提供する立場の人は、自分自身の傾向(スタイル、視点、パーソナリティ)を理解し、実践すること。フィードバックの意図と仕方に責任を持つこと

つぶやき:相手のためのフィードバックであって、自分のためのフィードバックにならないようにしよう!

*サンドイッチ型のフィードバックとは、相手にとって耳の痛いようなことを、受け止めやすい言葉で挟みこむことで、いたずらに飲み込みやすくするフィードバック方法。ポジ~ネガ~ポジ。これは避ける

つぶやき:あるあるだ。

*フィードバックの頻度は高いほうが学習効果が高まる。が、相手が「今日はフィードバックがくる日だな」と、フィードバックをTo Doリストのように捉えないように配慮する。自然で本質的な会話を行う。そして、マイクロマネジメントにならないように注意

つぶやき:たしかに。できるだけ自然な感じで。

*フィードバックする相手(主に部下)が描く長期的な夢や目標につながるような成長(のステップ)とはどのようなものかを考えてみるように促す。あとは、ステップに沿って成長できているかどうかをフィードバックする

つぶやき:将来ビジョンを描いている人がどの程度いるのか・・・。キャリア自律が求められる時代、まずはそういったことを考える機会を持つことが先決だろう。