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管理職としてのスタンス(読書感想⑥)

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今回紹介するのは、(著者には申し訳ないですが)地味な本。どういう意味で地味か・・・大きめの本屋さんでさえ置いてないこともあるし、平積みになっているところは見たことない。

ただ、仕事でお客様から「うちの管理職に読ませたほうが良いような本はありますか?」と聞かれたとき、お勧めしている本の中の一冊である。課題図書にすることもあります。その本とは・・・

鈴木秀明著『人事屋が本音で語る 管理職に伝えたい47の言葉』LUFTメディアコミュニケーション 2018年

会社の人事部は、文字通りに”人や組織の事” に関するプロ集団である。実際には、人事ローテーションがあるので、どれだけ ”プロ” と言えるかどうかは置いておいて、自社の職場や従業員をよく観察し、情報を得ている。

”人事部” という存在が組織の中でどれだけ強い力を持っているかは、業界や個社によってそれぞれであろうが、日本において人事教育部門・研修部門の立場は、人事部の中では決して強くはない。

私が支援しているミドルマネジャー向けの研修を企画する担当者の皆さんは、現場のマネジャーに対してとても気を遣っている

現場がなるべく忙しくない時期に研修を企画し、研修中に不快な思いをさせないように十分配慮し、負担を減らすために事後課題は敢えて出さない、なんてことも結構ある。

研修担当だけでなく、人事企画や労務管理などの他担当も 現場のマネジャーを目の前にすると 気を遣うことが多いだろう。

現場のマネジャーからすれば、「人事部からそんなに気を遣われているとは思わない」と感じるかもしれないが、彼/彼女らは現場のマネジャーに対して言いたいことをたくさん持っている・・・が、気を遣って言わない(言えない)のである。

では、人事部からは現場のマネジャーはどう見えているか、どんなメッセージを伝えたいと思っているか、今日紹介する本にはそれが書かれている。

以下に、私が印象に残った点を書く。皆さんにも該当するかもしれない!!

印象に残った点

① 自分を律する

管理職になり、さらに上を目指そうという人は自分を律しなければならない。会社の経費を使って仲間うちでお酒を飲んだり、仕事をさぼったりしていると、「あんな奴が(役職)になるとは・・」なんて言われる。

つぶやき:マネジャーになってからマネジャーぶっても遅いかもしれない。マネジャーになる前から、仲良しの同僚とも節度をもった発言・行動をしていたほうが、マネジャーになったときにマネジメントがやりやすい。お酒を飲んで、一緒に会社の愚痴を言っていた人が自分の上司になり、尤もらしいことを言ってきたときにその指示に従うか・・・という問題。

② 部下が目標を達成できなかったのは、上司にも責任があることを自覚する

つぶやき:そうだよなあ。ついつい部下のみの責任かのようにフィードバックしようとしてしまうが、自分の指導やフォロー、育成が至らなかったせいでもあるんだよな。いかん、いかん、反省。

③ 部下は友達でも仲間でもない

向こう(部下)もそう思っているので、自分から声をかけなければ、向こうから話してくれることはありません。これが当たり前。(中略)管理職になったら、同僚、先輩、後輩はもう仲間ではありません。だからといって、急に手の裏返しのように上から目線になってはいけません。

つぶやき:組合のある会社であれば、管理職は非組合員。つまりは会社側の人間だ。部下の前での発言は常に会社サイドになったものでなければならない。自分の立ち位置を確認する。会社や方針に対する批判があっても、共感はしたとしても同意はしてはいけない。

他にも、私に刺さる言葉が書かれていた。しばらくしたら、また読み返そう。