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リモートワーク下でのマネジメント_1冊目(読書感想⑤)

bookshelf テレワーク下のマネジメント
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2022年1月、コロナ禍になって約2年、リモートワーク(テレワーク)が、特に都心部では当たり前になってきた。

コロナ禍が終息しても、コロナ前の状態には戻らないであろう。従前より「働き方改革」の推進が叫ばれていたが、その流れは今でも続いており、リモートワークはその一環でもあるからである。

私の所属する会社には、2020年5月頃以降、クライアントから「 ”リモートワーク下でのマネジメント” について研修をしてくれないか?」という相談が多く寄せられた。

そういった世間の声に応えるべく、関連書籍がどんどん発刊された。今回読んだのは、その中の一冊である。

武藤久美子著『個人と組織を生かす リモートマネジメント の教科書』クロスメディアパブリッシング 2021年

同様のテーマの本を数冊読んだが、個人的には、類似本の中では中身の濃い一冊だ。

マネジメントに関していくつかの示唆や学びが得られた中で、特に印象に残った点とつぶやきを整理する。

印象に残った点

①リモートワークは、社内外とのコラボ機会を創出

リモートワークは、これまで物理的な距離があった人との仕事をやりやすくした。(中略)リモートワークで通勤時間が削減され、様々な企業は開催するオンラインセミナーなど学びの機会をメンバーが利用できる。オンラインでのつながりをうまく活用できるメンバーは、自身んで社外人脈を形成できる。(中略)結果として転職や起業といったかたちでメンバーの流出につながる。

つぶやき:マネジャーは、部下が「この会社がいい」「この職場がいい」と感じられるようなマネジメントを行う必要がある。 そのためには、まず自分が「この会社/職場のここが良い」と言えないと・・・。

②リモートマネジメント下では、メンバーの責任も増す

リモートワークで得られる(働き方に関する)自由を享受するためには、メンバーは以下の点について、相応の責任を果たす必要がある。
1.周囲を安心させる責任
2.仕事環境をデザインする責任
3.心身の健やかさを維持する責任

つぶやき:全くその通り。リモートワークに限らず、何らかの権利を行使するなら、同時に義務を果たすこと。この点は、マネジャー個人が部下に伝えることも大切だが、組織として従業員に「堂々と」発信すべき情報。なんだか最近は、会社が従業員に気遣いながら施策を発表している気がする・・・。

③組織にとって良い動きを評価する

成果だけでなくプロセスも評価・賞賛する。(中略)リモートワークでは、プロセスが軽視されやすい。プロセスには2通りある。1つは「仕事の進め方」、もう1つは「組織にとって良い動き」。

つぶやき:リモートワークは、マネジメントが ”長良川の鵜飼い” のような状況になりがちだ。つまり、マネジャー(鵜匠)とメンバー(鵜)はつながっているが、メンバー同士のつながりが生まれづらい。一人ひとりのメンバーの意識を組織(チーム)に向けさせるような働きかけは大切だ。

※ 鵜匠と鵜のたとえが不適切かも・・・。

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★ 参考までに

これからの時代に必要な組織マネジメントの要素とは何か、そしてマネジメント研修はどうあるべきか、それらの点に関して、立教大学経営学部の中原淳先生にご講演いただいた映像があるのでご参考に。(私は最後に少しだけ登場します!) ( 関連イベント映像