前回の続き、以下の本につき、感想を述べています。
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161ページ
いかなるときも、「成長したい人」を基準に判断しましょう。「成長する機会」を奪わないことです。
171ページ
頑張った人に報いるのが、本当の「平等」です。そうすることで、頑張っている人は残り続けてくれます。
大賛成。
成長したくない人なんていないかもしれませんが、現状維持で構わないと豪語する人はいますね。以前にもブログに書きましたが、”現状維持は後退と同じ”と捉えられます。
そんな ”現状維持派” を高く評価するなんてできません。なぜなら、会社や組織は ”成長(や変化)” を前提に戦略を遂行していますので。
成長や変化を挑戦した結果、現状維持のような結果になったのであれば、話は別ですけど。
177ページ
人を見抜くことは、やはり難しい。そのために、「降格・降給」という仕組みがあります。
178ページ
成果をあげなくても何も影響しないとしたら、それは最終的に「別に頑張らなくてもいいんだな」という認識につながります。責任として自分に跳ね返ってくるかどうか。それは大事な仕組みです。
179ページ
「頑張って成果をあげなければ自分の身が危うくなる」というのは、当然の仕組みです。
その通りだと思います。
降格や降給という概念のない世界で生きてきた人たちからすれば、「なんてシビアなんだ」と思うでしょうね。
この本の通底にあるコンセプトですが、組織の中で働き続け、マネジャー(後には経営者)として活躍し続けたいのであれば、”頑張らない人” を放置しておくわけにはいけませんね。
組織の成長の阻害要因ですので。
そのように書くと、売上至上主義や成長優先主義のように捉えられ、コンプラ違反でも犯しそうな会社をイメージするかもしれませんが、この本の中では「企業理念の大切さ」がちゃんと語られています。(なので、私はこの考えに賛成しています)
健全な組織(の成長)を目指すなら、”頑張らない人” が堂々と過ごせる状態は病巣なので、治療する必要があります。
180ページ
「属人化」を防ぐためにも、「人事異動」が有効です。(中略)同じ部署で同じ業務を続けていると、「属人化」が生まれてしまう
181ページ
人事異動をおこなうことで、また一から試行錯誤する状態にリセットできます。(中略)さらに大きな視野で次の業務に当たることができます。
この点は悩ましいですね。
確かに「属人化」には注意しないといけませんが、昨今言われている「キャリア自律」した状態と目指すなら、会社都合の異動(を中心に考えるの)は極力控えたほうが良いと思います。
ただし、マネジャーとして、部下に対して「ずっと同じ業務だと視野が狭くなるよ」とか「あなたの働きぶりを見ていると〇〇の業務でも活躍できそうだよ」と持ち掛けることはとても重要なことだと思います。
自己認識だけに頼ってキャリアを積むのは勿体ないです。上司として部下にフィードバックを提供することは部下への大切なプレゼントだと思います。
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この本に書かれている内容は、マネジャーとして「部下にシビアに接しろ」的なものではなく、組織の成長と部下の成長、そしてマネジャーとして成長を考えると、至極当たり前のことが書かれていると、読み終えてみて思いました。(本の構成も上手だな~と思いました)
そう考えると、同著者の『リーダーの仮面』を読み直してみると、前回とは違う感想になるかもしれない!!
現場のマネジャーや経営・人事に関わる方で、この本を読んでアレルギー反応(反発・抵抗・拒絶など)が出た場合、そういった方の会社こそ、著者の会社(識学)の研修やコンサルティングを導入する価値はあるかもしれませんね。
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