※ この記事は1on1に興味をもち始めた人に向けたものです。
最近流行りの1on1。
1on1とは、頻度を上げた部下との面談 のことである。
コロナ禍によりテレワークが普及し、部下とのコミュニケーション機会の見直しのための施策として、多くの企業で1on1の導入が進んでいる。
世の中の多くのマネジャーは、「部下との面談?それなら今でもやっているよ」と言うかもしれない。
まず、この点を知ってほしい。1on1は・・・
進捗管理の場 ではない。
普段やっている部下との面談は、殆どのケースが業務の進捗を確認するものではないだろうか。「例のプロジェクトは順調か?何か問題は発生していないか?」
問題があれば支援を申し出たり、アドバイスをしたりする。時には部下を叱咤激励する。
1on1でもこういったやりとりは行われるが、それは1on1のごく一部を表しているに過ぎない。
で、何するの?
1on1の核となるコンセプトは「部下のための時間」。
つまり、部下が ”自分のための時間だ” と感じられれば、話題は何でも構わない。
1on1を世間に広めた人と言って過言ではない、本間浩輔氏によると、本間氏の組織で初めて導入する際に「1on1は経験学習の機会」と位置付けていた。 (参考:本間浩輔 『ヤフーの1on1』ダイヤモンド社 2017年)
経験学習の機会とは
米国のコンサルティング会社(ロミンガー社)が行った調査の結果で、人材育成の業界で広く知られている数字がある。それは・・・
7:2:1
世間で活躍しているビジネスパーソンに「何が今のあなたをつくったのか?」を聞いたところ、7割は ”現場での実務経験” 、2割は ”周囲(上司や顧客など)からの言葉” 、1割は ”研修などの教育機会” と答えた。
7割の人が現場での実務経験が今の自分を形作っていると言っている。確かに、実務を通して成長してきたという点は多くの人が感覚的に同意するであろう。
ここで考えたいことがある。誰しも経験さえ積めば持続的に成長し続けるのであろうか。ここに、本間氏の言う「経験学習の機会」の重要性がある。
人は、単に経験しただけではない成長しない。経験したことを振り返り、その経験からの学びや教訓を導きだし、それを今後に活かす。この営みが経験学習である。しかし、多くの人は忙しさなどを理由に経験学習できないでいる。
そこで、1on1の出番である。
1on1で上司は、部下が自らの経験を振り返られるように問いかける。問いを受けて、部下は経験を想起し内省する。
うまくいった経験は再現性を高めるために、うまくいかなかった経験は次回うまくいかせるために、学びや教訓を自ら考える。
つまり、1on1は業務の進捗管理以外に、部下にとって成長の機会に、マネジャーにとっては育成の機会にもなるのである。
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今回のまとめ:1on1は「部下のための時間」であり、単に業務の進捗管理を行う場ではない。
(次回ブログへ)
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