”マネジメント” ”リーダーシップ” ”コミュニケーション”
人材育成の語るときに頻出する言葉で、これらの言葉を BIG WORD と呼ぶことがある。
私はそれを「聞けば誰しも何となく分かっている気になるが、具体的に何を示しているのかはさっぱりわからない言葉」と解釈している。
マネジャーの役割は、文字通りに ”マネジメント” である。
上司から「君のマネジメントはなっとらんっ!」と叱られたり、「しっかりマネジメントを頼むぞ!」と葉っぱをかけられたり・・・これって、具体的に何を言われているのかは聞いてみないと分からない。
いや、もしかしたら、言っている上司もマネジメントを具体的には説明できないのかもしれない。
おそらく ”マネジメント” ってそんな感じの扱いを受けている言葉だ。
以前のブログにも書いたが、”マネジメント” には様々な定義が存在している。例えば・・・
- Getting things done through others(古くからの名言)
- 組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関(P.ドラッガーさん)
- 預けられた経営資源を活用し、成果を最大化するための行為全般(筆者が作成)
そして、”マネジメント” には種類がある。伊丹・加護野(2005)は ”マネジメント” を3種に分けて説明している。以下のような名称だ。
- 環境のマネジメント(環境の中で、いかにかじ取りを行うか)
- 組織のマネジメント(他者を通して、物事をいかに行うか)
- 矛盾と発展のマネジメント(矛盾から発展にいかにつなげるか)
出典:伊丹敬之・加護野忠男 著『ゼミナール 経営学入門 第3版』日本経済新聞社 2005年
ちなみに、この本は大学時代に購入したのだが、社会人になって読んだら驚くほど面白かった!
マネジャーにお勧め。
この本によると、マネジャーにはマネジメントする対象が3つということだ。
とはいえ、マネジメントの階層によって重点が異なる。例えば、部長以上は「環境のマネジメント」の比重が高そうだ。課長は「組織のマネジメント」中心。
「矛盾と発展のマネジメント」は全てのマネジメント階層に等しくのしかかっている印象。
私は日々のマネジメントの中で、”矛盾” をいかにマネジメントすれば良いのか悩み続けている。
- 部下育成は大切にしたいが手間がかかる。かといって自分が手出しをしてばかりだといつまで経っても・・・
- 目の前のオペレーション対応も無視できない。しかし、今から職場を大きく変革していくことも大切・・・
- お客様への迅速な対応も大切。しかし、それをやっていると社員の働き方改革は進まない・・・
あちらを立てれば、こちらが立たず(トレードオフ)・・・そんなことが多い。
本の中ではこう言っている。
「矛盾には2つの対応がある。一つは、矛盾する要求のどちらかをとり、他を退ける対応。もう一つは、矛盾を二者択一的に捉えずに、それを解決しようとする努力から新しい道が生まれないかを発展的に模索する対応である」と。
難しい・・・。でも、そうしたプロセスを通して、マネジャーとしての思考と行動が鍛えられるのか。
もう一度、この本をじっくり読もう。まずはそこからだ。
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