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余裕がないから部下育成できない? 改善のヒントは「目標咀嚼」?

confused businessman checking time on wristwatch 課長よもやま話
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「部下育成の重要性は分かってる。でも、現実の職場にそんな余裕はない!」

上司や人事、他部門などから様々な指示や依頼が降ってきたり、部下からは相談が来たり、プレイヤーを担っている場合は担当業務の対応もあり、業務量の多さに関するミドルマネジャー(特に課長)の嘆きがあちこちから聞こえてきます。

ですので、「余裕はない」というコメントに同意します。本当に、時間的に余裕がないですよね。一方で、

部下育成をしてこなかったから余裕がなくなってきたのでは?

と考えることはできそうな気がするのですが、どう思いますか? 今日はそんな話をします。

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余裕のない状況ですが、

と思います。なぜなら、どこの企業は「少ない資源投入で大きな成果を出す」ことを常に狙っていますので、現場が望む通りの資源を投入することなど、殆どあり得ないからです。

むしろ、ギリギリ(or 少し不足気味)の資源投入で成果を最大化するよう、経営は現場に求めてきますので、ますます余裕を感じられなくなることはあっても、余裕が生まれるという状況はほぼ期待できないでしょう。

生産性を高めるべく、

*同じ成果なら、これまでより少ない資源投入量で
*同じ資源投入量なら、これまでより大きな成果を

現場は求めてきますので、前回のブログで書きましたが、現状維持を主張しがちなミドル・シニア層の社員に限らず、全ての社員が現状維持している場合ではありません。(→ 前回のブログへ

しかもビジネス環境の変化が速く、競争も激しいですので、同じ成果を出し続けることだって厳しいですから、

*同じ成果なら、これまでより相当に少ない資源投入量
*同じ資源投入量なら、これまでよりかなり大きな成果を

を目指し、実現していかないと経営が成り立ちません。

応援団長
応援団長

ほんと、厳しいですね

このトレンドは、今後変わることはないどころか、ますますシビアなものになっていくと予想されますので、これまでと同じ思考と行動のままだと余裕なんてできません。

ということは、この先、部下育成をあきらめるマネジャーがますます増えそうです。

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もうひとつ困った思考があります。

人材の「量」に頼ろうとする思考

です。

現場から人事に対して、

マネジャー
マネジャー

もっと人をよこせ!

という言葉が聞こえてきます。この言葉から分かるのは、苦しい状況を人材の「量」で対処しようとしています。当たり前ですが、人材の「量」を増やせば、コストも増えます。それが近い将来に重荷になり、ますます経営を圧迫する可能性が大です。

変化の激しい時代の中で、人材の「量」で対処することはリスクでしかありません。ですから大抵の場合、経営として安易に人を増やすことをしませんよね。

応援団長
応援団長

人材の「量」で何とかしようとする発想は古いです。人的資本経営とはかけ離れた発想です

人材の「質」で対処しようとしても、上述しましたように、多くの現場マネジャーは「部下育成をやっている余裕がない」と主張しています。仮に誰かを配属しても、周囲は多忙過ぎて、誰も面倒をみてあげる余裕がないのであれば、戦力化しませんし、今どきであれば、優秀な人材ほどそんな会社は直ぐに見切りをつけて辞めるでしょうね。

そんなわけで、余裕がないといって部下育成(やオンボーディング)をあきらめている現状では、ますます経営が苦しくなりそうです。

応援団長
応援団長

だからこそ、人的資本経営を本気で実践すれば、競争優位に立てる可能性が膨らむと思います

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余談ですが、「人的資源が充足しているかどうか」を組織サーベイの中で聞いている会社があると思いますが、私にはナンセンスな質問に思えます。

そう考える理由は、「人的資源が充足している」、つまり「人が余っている」と回答する組織はほぼないと思いますし、「不足している」と回答すれば、会社として人材を補充してくれるのかと言えば、多くの場合でNOだと思います。

応援団長
応援団長

そう考えると、そんな質問をわざわざ聞く意味がどこにあるのでしょうか・・・

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余裕の無さを理由にして部下育成をしないままだと、停滞するか縮小する未来しか想像できないのですが、皆さんはどう考えますか?

1.余裕をいかにつくるか
2.部下育成を実践するか

1番と2番は「にわとり・卵」の関係かもしれません。即効性はないでしょうが、部下育成に注力することで、近い将来に余裕が生まれることを期待するしかないか・・・・・。

このあたりに関してヒントがあります。中原(2017)は「マネジャー初心者が行き詰ってしまうポイント」として以下の図を示しています。

これは新任マネジャーが陥りやすいポイントを循環図として示したものですが、新任マネジャーに限らず、多くのマネジャーがこの状況になっていないでしょうか。

部下育成の前にある「目標咀嚼」とは、

です。この「目標咀嚼」ができていないから「部下育成」ができない、ひいてはプレイヤー業務に時間を取られて、ますますマネジメント業務の時間がなくなり、「目標咀嚼」がますますできず、「部下育成」がますますできない・・・・という悪循環が回り続ける・・・・。

悪循環を断ち切るには、「部下育成」から改善するのではなく、「目標咀嚼」から改善するのが良さそうです。

応援団長
応援団長

詳しくは以下の本をどうぞ。かなり読みやすいですよ

中原淳 著『マンガでやさしくわかる 部下の育て方』日本能率協会マネジメントセンター 2017年