今日は年齢に関する話です。
年功という言葉があります。デジタル大辞泉によれば、年功とは・・・
1長年にわたる功労・功績。「年功に報いる」
2 長年その事に携わって積んだ経験。長年の訓練で得た技術。「年功を積む」
だそうです。
なので、年功で序列づけをしている会社では、
■ 在籍年数が長い人ほど、会社に多く貢献しているから高処遇
■ 在籍年数が長い人ほど、豊富な経験を持っているから高処遇
■ 在籍年数が長い人ほど、技術を持っているから高処遇
なのでしょう。新卒一括採用で終身雇用のもとでは、
在籍年数が長い人=高い処遇を受けている人=年齢の高い人
という年齢重視の世界観が成り立っていたんでしょうね。
皆さんの会社では、年齢が組織運営にどれだけ影響を与えているでしょうか。
結構あるなぁ。年上部下には気を遣う・・・
年齢を尊重しての言葉遣いや態度はコミュニケーション上で大切なことですね。しかし、仕事上の役割やパフォーマンス(成果)に関しては、年齢に関係なく、”役割に対して公平”な目で見て、判断・意思決定しなくてはなりません。
”役割に対して公平”という点が肝です。そして、”同じ役割なら平等”に見る必要があります
年齢を重視する価値観が邪魔をして、組織としてのパフォーマンス(成果、生産性)が低くなっているシーンを目にします。例えば、
成果は若手社員と変わらないのに、給料が高いミドル・シニア社員
つまり、若手のほうが「生産性」が高い
高い給料に見合った目標設定をしてもらいたいが、納得させられない年下上司
成り行きでも達成できそうな目標設定 → 成果や生産性を高めるための努力をしない
「私はもう歳だから、今さら・・・」という言い訳ができてしまう職場風土
年齢を言い訳に高い目標/新しい目標を設定しない → 市場価値と処遇のギャップが拡大する
成長や変化への適応を促さないと、本来であればAIやRPAで効率化したり、代替できる仕事を残すことにもつながりますね。そうなると、ますます生産性は下がりますね。(→ 日本生産性本部さんのサイト:労働生産性の国際比較)
年齢とは異なる観点ですが、役割に人をつける、ではなく、人がいるから役割を作り与えるという観点も、組織運営上の大きな課題ですね
年齢重視が邪魔をして、若手・中堅社員のモチベーションを下げていることもあります。例えば、
昇進昇格の順番を年齢(入社年次)で決めている
若くて有能な人材が適切なポジション・ポストで活用できない → 「頑張っても、あと●年は上がれない」という無力感 → 若手・中堅社員の不満醸成
年齢重視が邪魔をして、組織力や組織としての規律にネガティブな効果もあります。例えば、
言いたいことがあっても言えない年下上司
・組織の戦略遂行力が低下
・マネジャー・リーダーとしての機能低下→ 組織としての規律が減退
役職定年後も上司ズラをして、年下上司の立場を阻害したりするシニア社員
・マネジャー・リーダーの機能低下→ 組織としての規律が減退
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繰り返しになりますが、仕事上の役割やパフォーマンス(成果)に関しては、年齢に関係なく、”役割に対して公平”な目で見て、判断・意思決定するようにしないといけません。
何歳の人であっても、意欲と能力があるならそれなりの役割を任せる
何歳の人であっても、役割・成果が同じなら評価は同じとする
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部下だけでなく、マネジャー自身も年齢で仕事をしているわけではないですね。役割としてマネジャーをやっています。
年上に対する礼儀や礼節は忘れてはいけませんが、役割・成果よりも年齢が優先されてしまう組織運営は変えていかないといけませんね
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