先日、ATD(Association for Talent and Development)というイベントに参加するため、アメリカ(サンディエゴ)に行ってきました。
年に1度アメリカで開催される、人材開発(人材育成)に関するカンファレンス&EXPOです。(コロナの影響で、久しぶりのリアル開催でした)
計4日間のイベントで、世界各国から来る参加者数はのべ12,000名以上、会場は幕張メッセより大きなところで、様々なセッションが同時並行的に行われていました。私は以下の2テーマに絞って情報収集しようと思い、参加していました。
1.Leadership & Management Development(リーダーシップとマネジメントの能力開発)
2.Instructional Design(研修のデザイン方法)
今回は、いくつか参加したセッションの中で、Coachability(コーチャビリティ)というテーマを扱ったものについて、皆さんのヒントになればと思い、内容を少し紹介したいと思います。
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まず、コーチャビリティとは、Coach + Ability ですので、”コーチングを受け入れる能力” とでも言えるでしょうか。
20数年前に、日本のビジネスシーンに入り込んできた ”コーチング” ですが、外資系企業のミドルマネジャーにとっては ”必須スキル” として、内資系企業のミドルマネジャーにとっては ”是非学んで実践してほしいスキル” として扱われ、ずーっと話題になっています。
ですが、特に内資系企業の現場では未だに実践/浸透していないと言っても過言ではないと思います。
コーチングをめぐる現状について、参加したセッションで以下のように紹介されていました。
* マネジャーにスキルやテクニックが教えられている
* コーチングの成功には、上司=部下間のポジティブな関係性が求められる
* マネジャーが部下をコントロールしがち
* コーチングを受ける側が注目されることはない
これらは、まったく日本と同じ現状と言えそうです。
セッションの発表者は自社で調査した結果をもとにこう言っていました。
● コーチャブルなリーダーのほうが効果的な(Effective)リーダーである
● コーチャブルなリーダーのもとで働くメンバーのほうが仕事にエンゲージしている
つまり、「リーダー/マネジャーはコーチャブルであろう!」という主張をしていました。
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ここで私の頭には「?」が浮かびました。それは私が、このセッションは「マネジャーのコーチングが機能するように、部下側へコーチャビリティが高まるような働きかけをしていきましょう!」というメッセージを出すものと想像していたからです。
そうではなく、マネジャー自身がコーチャブルであろうよ、ということだったのです。
マネジャーに限らず、他者からのコーチングやフィードバックに耳を傾け、自己改善できることは大切なことですね。
そして、コーチャブルであるためには、”ほどほどの自信(Confidence)” が良いようです。”ほどほどの自信” が学び(Learning)を促進するとも言っていました。
自信がありすぎると、他者からフィードバックをもらおうとしないし、もらっても「気にしない」。自信がないと、他者からフィードバックをもらっても「私にはできません」となる。
まあ、そうでしょうね
では、発表者曰く、コーチャブルであるためにはどのような態度が必要なのか・・・
1.他人があなたのことを心底考えてくれるという前提をもつ
2.何か悪いことがあっても自分は直すことができるという自信をもつ
3.有益なフィードバックを得るためには、ほんの少しの間、不快になることもいとわない
4.他者からの称賛やポジティブなメッセージは行われていても、完全なストーリーで語られることはめったにない(と心得よ)
とのことです。(私の英語力で訳してみました・・・)
う~ん。いまいち、自分にはピンとこない・・・。語学力の問題??
個人的には、コーチャブルであるためには、
1.成長意欲を持ち続けること
2.”ほどほどな自信” を持つこと
3.自分から進んでフィードバックをもらいに行くこと
4.もらったフィードバックについて、納得がいけば、必ず直す努力をすること
だと思います。皆さんはいかがお考えですか?
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今日は、コーチャビリティについて述べてきました。
マネジャーとしての活躍しつづけるための一つの要素として、ずっとコーチャブルでありたいものです。そんな上司の姿をみて、部下もコーチャブルな状態になってくれれば、より良い関係が築けそうな気がします。
さて、まずは自分のマネジメントに関して、部下にフィードバックをもらいに行ってみませんか。
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