唐突ですが、マネジャーの皆さんに質問です。
あなたがこれまでに出会った上司(課長、マネジャー)を思い出してください。
「あの上司のもとで働いていた時は、大変な仕事であっても前向きに取り組めていた」という経験はありますか? そのとき、その上司はあなたに対してどのように接していましたか?
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そんな質問をマネジャー研修の中で尋ねることがあります。その際、PDCAサイクルをフレームとして活用し、上司が部下に関与する場面ごとに整理してもらうようにしています。
※PDCA=PLAN~DO~CHECK・ACTIONの略、仕事の進め方の基本
具体的にはこんな風に聞いています。
P :その上司は、期初の目標設定面談や仕事を依頼する際にあなたとどのように接していましたか
D :その上司は、期中にあなたとどのように関わっていましたか
CA :その上司は、期末やプロジェクト完了時にあなたとどのように接していましたか
そうしますと、PDCAそれぞれの場面で、「上司からこんな接し方をされて嬉しかった/やる気になった/仕事がやりやすかった」という経験談がたくさん出てきます。
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これまでに数多くの会社のマネジャー研修でこのワークを行ってきまして、今回記録に残していたものを整理してみました。
そこで、今回の記事から数回にわたり、どのような意見が出たのかを皆さんに共有したいと思います。お読みになる中で、自らの普段を見直してみる機会になれば幸いです。
初回である今回は、
PDCAの「D」=期中の、部下との関わりに関するもの
を紹介します。(「P」からでなくてすみません。他意はありません)
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D:期中の関わり方
部下との期中の関わり方に関して、マネジャーの皆さんの過去の経験からどんな意見が出たのでしょうか。個別具体的にはたくさんあったのですが、似たものをまとめていきますと、大きく3つに分類できました。
順にご紹介します。
1つ目は、関与の程度(頻度・タイミング)に関することが数多く挙がっています。例えば、こんな意見です。
関与の程度(頻度・タイミング):
*基本的に任せてもらっており、途中で細かいことを言ってこない
*過剰な干渉をしてこない
*困ったときに気軽に相談できる
*報告の頻度を的確に設定する(頻繁過ぎない)
*定期的なコミュニケーション機会がある
困った時だけ関与があれば良いというケース、定期的な関与が良いというケース、これは部下のタイプにもよるのでしょうかね。
確かに、部下にとって好ましい「1on1ミーティングの頻度」は異なりそうですもんね。
ただ、「困った時だけ関与があればいい」という意見には注意が必要です。以前にこのブログ内で書いたのですが、コミュニケーションは頻度が大切だという考えもあります。(→ 関連するブログ記事へ)
この点も踏まえて、関わる頻度を考慮したほうがいいですね。
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2つ目は、上司としての姿勢のような意見が結構出ます。例えば、
上司としての姿勢:
*自由にやらせてくれるが、いつも寄り添ってくれている感じがする
*問題が解決するまで付き合ってくれる
*問題が起こったときに矢面に立ってくれた
*いつでも話を聞いてくれる
*忙しいときでも、時間をとってくれる
*励ましてくれる
*盛り上げて応援してくれる
*明るく接してくれる
*一緒に頭を下げてくれる
*良い悪いをはっきりと言ってくれる
文字に起こすと当たり前のことばかりですが、日常を内省すると襟を正さないといけない点もあるかもしれません。
部下と真剣に向きあう、部下を道具扱い/小間使いしないなど、言い古された表現になりますが、いま一度見直してみましょう。
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3つ目は、上司としての能力に関する意見が挙がります。例えば、
上司としての能力:
*状況理解が早い(ので、コミュニケーションが楽)
*仕事を進めるうえで必要な人を紹介し、つないでくれる
*部門間調整をやってくれる
*困っているときに経験を踏まえたアドバイスをくれる
*不調な時、異なる視点での短期目標(指標)を与えてくれる
*やってみせてくれる
*必要なことをロジカルに説明してくれる
*異なる視点やアドバイスをくれる
*上司の上司にちゃんと説明してくれる
部下が仕事を進めやすい環境づくりや、部下が困っているときの支援に関して、上司の能力はやはり重要そうですね。
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今日は、私が研修で出会った多くのマネジャーの皆さんの経験から、「どんなマネジメントが良さそうか」を考えるヒントを共有してみました。今日はPDCAの「D」、「期中の関わり方編」でした。
挙げられた意見を俯瞰してみると、部下は上司に対して、
好きにさせてほしい。邪魔をしないでほしい。困った時だけ支援してくれたらいいです。
と言っている気がします(新人・若手は別かもしれませんけど)。”良い上司” は ”都合の良い上司” なのかなと思ってしまいます。
なんだか寂しいですけど、部下ってそんなもんかもしれませんね。
その点を踏まえて、部下との1on1ミーティングの現状を考えてみると、上司ばかりが話をしている状況って部下にはどう映ってるんでしょうね・・・。
「そんな時間があるくらいなら仕事をさせてくれ」・・・なんて思っているかもしれません。
次回は、PDCAの「P」、「期初の関わり方編」を書きたいと思います。お楽しみに!(→ 次回のブログ記事へ)
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