うちのマネジャーの中には、「マネジャーは偉い」と思っている人がいるんですよね。
ある会社の人事担当者がおっしゃった。続けてこのように述べられた。
部下を何だと思っているんでしょうね。
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偉ぶるマネジャー
”偉い” という言葉を意味を広辞苑で調べてみると、
①すぐれている。人に尊敬されるべき立場にある。
②普通あるべき状態より程度が甚だしい。ひどい。
③思いもかけない。とんでもない。
④苦しい。痛い。つらい。
とある。
前述の人事担当者がおっしゃっているのは、①の意味だと推察する。その会社の(一部の)マネジャーは「自分はすぐれている。尊敬されて当然の立場にある」と思っているということだろう。
優れているかどうか、尊敬されるような人物かどうかは他人が判断することなので、自分でそう思っているとすれば、それは自惚れか。
もしマネジャーが「私は偉いのだ」と思っているとすれば、日常においてどのような言動が見られるのだろうか想像してみる。
*部下を呼び捨てにする or 「おい」とか「お前」とかで呼ぶ
*挨拶は部下から行うものと考えている(ので自分からは挨拶しない)
*部下と対面で話すときの姿勢が横柄(のけぞる、自分だけ座っている、目を合わさない、”ながら”対応)
*部下の都合は考えず、自分中心で物事を進める
*部下の意見や話を聞かない
*自分の言うことをやっておけばいいといわんばかり ※指示・命令ばかり
*権力を感じさせる発言 例:俺が○○しといてやったから(感謝しろ)
*目の前に部下がいない場面で、部下のことを「あいつ」とか「あいつら」と呼ぶ
*権力に弱く、上司には低姿勢 ※ゴマすり。ペコペコ。言いなり
こんな感じか。
現在、私の周りには「私は偉い」と思っていそうな感じの人がいないのだが、若いころに所属していた会社のことを思い出して考えてみた。
ここに挙げたような言動をとるマネジャーのもとで働く部下はどんな気持ちだろうか。小間使いや道具扱い、自分の出世のための道具にされているような感じか。
手元にエビデンスのようなものはないが、直感的に言って、こんなマネジャーは組織にとってマイナスはあれどプラスの影響はほぼないのではなかろうか。
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偉ぶるのもわかる気がするが
*誰をマネジャーにするかは年功序列。入社年次が重要
*キャリアアップ=課長になること=めでたいこと、みたいな空気感
*マネジメントを学んだことがなくても、プレイヤーとして活躍すればマネジャーになれる現実
こんな背景があれば、中には「私は偉い」と勘違いしてしまうマネジャーが現れてしまうのも無理はない気がする。
上述した人事担当者の方の会社はまさにそんな会社・・・。
○○ハラスメントと叫ばれる現在、周りが引くくらい偉ぶるマネジャーはさほど多くないと思われるが、自分の武勇伝や自慢話を部下に伝えたくなる瞬間は注意したい。
なぜなら、最近の人は「マウントをとる」という表現を使うが、その裏にはマウントをとろうとする人を軽蔑・回避する傾向があると推察できるから。
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マネジメントという役割
マネジメントの定義の一つに
Getting things done through others
というものがある。他者を介して事を為すのがマネジメントである。
ミドルマネジャーにとって、主な ”他者” とは部下と捉えて概ね間違いないだろうから、部下を介して事を為すのがマネジャーの役割である。(今日は、プレイングマネジャーの存在は無視)
マネジャーは、部下とはそもそも役割が異なる存在である。それは、偉い/偉くないという分類ではない。
マネジャーという役割・ポジションを一時期、組織から委任されている(権限とリソースを一時預かりしている)だけということを認識したい。
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今日の話題からは外れるが、プレイヤーからマネジャーになるときは職種が変わるということなので、本来であれば職業訓練を積んでから担うくらいの取組が必要。(数日間の新任マネジャー研修で済むものではない!) → 関連記事を書いたブログへ
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今日は、偉ぶっているマネジャーに関する話でした。
もし明日から自分と異なる誰かが自分のポジションを担うことになった場合、その人のほうが組織成果をあげられるのかもしれない。
それくらいの謙虚さや、軽い恐怖心・不安感はあったほうが良いのではないでしょうか。そして、それが向上心や学習意欲、自己啓発行動に繋がれば、自分にとっても組織にとってもプラスなんじゃないかなと思います。
偉ぶったら終わりですね・・・。
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