先日、約3年ぶりに帰省した。元気そうだが、少々老けた印象をある親を見て、うれしくもあり、寂しくもあり。
久しぶりに、親子水入らずの夕飯のあと、談笑していたとき、両親からこんな言葉が出てきた。
お前をどうやって育てのか分からない。いつの間にか大人になっていた印象。育てた自覚がないわ
断っておくが、私は親に見捨てられていたわけでも、どこかに出されていたわけでもない。至って普通に生活していたし、楽しい子供時代であった。
両親はそのように言っているが、私には、子供の頃に親に言われて、今でも覚えている印象的な言葉がある。また、親の姿を見て感じ取り、その後の人生(の決断)に影響したことだってある。
親は育てた覚えがなくても、子は育てられた記憶がある。
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仕事ではどうだろうか。
上司には部下を育てたつもりがなくても、部下が「この上司に育ててもらった」と思うことはあるだろう。
その場合、上司は部下より年上の場合が殆どではないだろうか。そして、部下側はまだ若い(20代)というケースが多いのではないだろうか。
上司の持つ豊富な経験や実績、人柄などに影響を受け、上司を尊敬する。この上司の言うことだったらやってみようとか真似をしてみようと思い、部下は学習し成長していく。
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”20代の管理職” の可能性
最近、20代の管理職登用を人事制度上で可能にした会社のニュースが連続している。
*関連ニュース(日本経済新聞社のサイトへ)(yahooのサイトへ)
年功を人事制度から排除し、”適所適材” を叶えることで、優秀な人材を確保~定着させ、企業の持続的な成長を図るというコンセプト自体は否定できるものではない。
だが、実際問題として、20代の管理職のもとで、部下は上記したような成長経験ができるだろうか。
20代の上司、20代の部下という関係であれば起こり得る気もするが、部下が30代以上であった場合、「この上司に影響を受けて自分は成長した」なんてことが起こるのだろうか。
個人的には、そんな経験は減る気がする。(特に、国内の伝統的な企業において)
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20代で管理職になった人材の立場からすれば、プレイヤーとして価値発揮するのではなく、あくまでもマネジャーとして価値発揮しなくてはならないと考えるので、マネジメントを強く意識する。
これはこれで機能しない可能性がある。例えば、
①マネジメント職としての責務を果たそうと、頑張りすぎてマイクロマネジメントになってしまう
②年上部下の人たちに遠慮して指示を出せず、任せすぎて組織を束ねることができない
③コート役として部下に接するも、部下側がコーチングを嫌がる
などがありそうである。
こうしてみると、ソフト面で20代の管理職が活躍できる環境に変えていかないと、ハード面(制度など)だけを用意しても、ごく一部の超優秀な人材以外は活躍できないと推察する。
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今日は、20代の管理職についての話でした。
過去に書いた1on1やコーチングに関するブログ記事でも述べていますが、マネジャー側に施策を打つだけでなく、部下側にも施策を打たないと、せっかくのハード面(制度や仕組み、ルール)が無駄に終わることがホントに多いです。
ますますマネジャーになりたいという人が減る風潮が強まるかもしれません。残念・・・・。
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