このブログでも何度か話題にしている ”キャリア” ないしは ”キャリア自律” 。(→ 過去の関連ブログ記事へ)
本当に、多くの企業から「従業員のキャリア自律を促進したい」という相談が頻繁に寄せられている。(本当にありがたい話です)
皆さんの会社でも、人事部などからそんなメッセージは出ていないだろうか。
あるいは、「キャリア研修」の受講案内が部下に届いているなんてことはないだろうか。
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キャリア研修の現状
以前は、「キャリア研修」と言えば、50歳を超えた人も対象に「定年後を見据えた人生設計をしましょう」というメッセージで、マネープランの検討を中心とした内容であったが、今は様相が異なる。
各年代において、その時期に合った 「キャリア研修」 を行っている。
例えば、50歳を超えた人たちに対しては、「この先も組織に貢献し続ける(価値を発揮し続ける)ために、いかに自己変革(あるいは学習)していきますか?」といったニュアンスの研修が行われている。
40代の非管理職には、「管理職以外の道で、これからどのように価値発揮していきますか?」
20~30代にも、キャリア形成は自己責任が基本という思想の植え付けを行っている。
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研修以外は?
従業員への 研修だけで キャリア自律が促進されるわけがない。どんなテーマでも同じであるが、日常に組み入れなければ、一過性のもので終わる。
となると、キャリアに関する取組を日々の中に取り入れなければならない。
そこで、毎度の登場であるが、マネジャーの存在がクローズアップされる。
会社からマネジャーへの指示は、
部下と定期的に キャリア面談 をしてください。
それを受けて、多くのマネジャーは困ってしまう・・・・。
なぜか。
経験がないから。
何の経験が?
①キャリア面談をやってもらった経験
②キャリア面談をやった経験
である。
ついでに言えば、自分でキャリアを描き、意図的に積み上げてきた経験 もないという人が少なからずいる。
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マネジャーだってわからない
キャリア研修の現状を少し上述したが、40代の非管理職に対しては行っているところが増えているが、皆さんのような管理職にはキャリア研修をやっていないことが多いと思われる。(皆さん、いかがですか?)
なのでマネジャーは、キャリアに関して、何をどう考えていけば良いのかをわからぬまま、人事部からは「部下のキャリア面談をやってください」と言われる。
心ある会社は、せめてもの支援として人事部からマネジャーにプレゼントが贈られてくる。それは「キャリア面談研修」の受講チケット。
このチケットは、マネジャー向けの研修としては珍しく好評であることが多い気がする。まあ、マネジャーの皆さんがそれだけ真剣に困っているのだろうと推察・・・。
その研修の内容は、
- 部下の Will-Can-Must を聴いてあげてください!
- 面談では、傾聴と共感が重要ですよ
- 否定は禁物ですよ
- 面談の際、座る位置は斜めがいいですよ ・・・みたいな
なんだかわかったような、わからないような・・・何ともモヤモヤとした内容と受け取られるかもしれない。
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マネジャーから始めよう!
キャリア面談のやり方を学ぶ機会は大切だと思うが、従業員の ”キャリア自律” を促すためにより大切なのは、マネジャー自身が ”キャリア自律” していること ではないだろうか。
マネジャーは会社側の人間ではあるが、自分の保有する経験や能力を会社に売って(対価をもらって)いるという自覚を持ち、マネジャーとしての価値を高め続ける意識と実践 が ”キャリア自律” したマネジャーの姿ではないかと思う。
そんな姿を見て、部下は ”キャリア自律” のイメージが持てたり、キャリア面談でマネジャーの言うことに説得力を感じたり、「マネジャーみたいになりたい」と感じたりするのではないだろうか。
人事部門は、マネジャーを対象に研修を実施することに及び腰なことが多い。(→ 関連ブログ記事へ)
となると、待っていても仕方がない。マネジャー自身がまさに自律的に自らのキャリアを考えることが求められる。
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今日は、キャリア自律に関して述べてみました。
マネジャーとしてのあなたの価値は何ですか?
今以上にマネジャーとしてのあなたの価値を高めるために、今後何をしていきましょうか?
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