3月決算の会社であれば、4月は組織の方針発表を行う時期ですね。先月は多くのミドルマネジャー(特に部長クラス)は、自部門の方針をメンバーに発表されたのではないでしょうか。
私はこれまでに、色んな会社のミドルマネジャーの皆さんとお会いさせていただきました。
その際、案件により、部門方針が書かれた資料を見せていただくこともあったのですが、結構な割合で、方針の冒頭に部門の「ミッション」や「目指す姿(ビジョン)」が書かれていることが多かった印象です。
皆さんはいかがですか?
資料を見せていただく際に「できれば、昨年度のものを見せていただけますか?」と無理をお願いすることもありました。
そして、あることを発見しました(n≒200かなぁ)。それは、ほぼ100%、
ミッション、目指す姿(ビジョン)が前年と変わっている
ということです。今日は、これってどうなんだろうか、という話です。
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ミッションが変わる
ミッションに関しては、上位組織の掲げる事業戦略や組織戦略が変われば別ですが、もし不変であれば、自部門のミッションは変わるはずがありません。(→ そのあたりに関して書いたブログへ)
ミッションの意味を正しく理解しておらず、つまりは上位組織の戦略など気にせず、
新年度だからミッションも新しく考えよう
と考えているのであれば、それは誤りです。ミッションは事業戦略を遂行するうえでの、あなたの部門の役割機能です。
本当に変える必要があるかどうか・・・どうなんでしょうね。
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ビジョンが変わる
ビジョンに関しては、そもそも一年でコロコロ変えるような性質のものなのか、ということです。
「今より良い未来として、✕✕を〇〇に変えていきたい」とビジョンを掲げても、多くの場合で変革するには相応の時間がかかります。殆どの場合で、1年やそこらでガラリと変わるものではありません。
そういったことを踏まえた上で自部門のビジョンとして掲げているなら、
昨年4月掲げたビジョンに向けて、この1年間でやっと3合目まで来ました! 今年度末には必ず7合目まで行こう! というわけなので、ビジョンは昨年度と同じで行きます。
というケースがあっても不思議ではない、というより、そちらの方が普通の姿なのではないかと思います。
そもそも、ビジョンに時間の概念を入れておらず、「そのビジョンって、いつ叶えようというつもりですか?」と聞きたくなるケースが世の中には多い気がします。(→ この点に関して書いたブログへ)
”いつか叶ったらいいな” くらいの気持ちで述べられたビジョンには、部下はきっと迫力を感じていないと思いますよ。
定量的な目標は振り返るが、1年前に自分が掲げたビジョンがどこまで実現できているのかを振り返ることなく、新しいビジョンを作ろうとする・・・。毎年そんなことの繰り返しなので、部下の誰もがビジョンを気にしなくなっている、というのがリアルなのではないでしょうか。
余談ですが、エンゲージメント・サーベイなどで「組織のビジョンに共感していますか?」といった質問がある場合、5点満点で「3点台」のことが結構多いです。本当だろうかと思ってしまいます。
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自部門の方針を聞く立場である部下は、ミドルマネジャーの皆さん以上に、ミッションとか何か、ビジョンとは何かを理解していないことが多いです。
そんな彼・彼女らも自らがミドルマネジャーになると、方針を作らないといけない立場になります。何をベースに考え、作るかというと、聞き手(部下の立場)だった頃の経験をもとに作ると思いますので、現在のミドルマネジャーが掲げる方針フォーマットが継承されていきます。
方針の中には、昨年度の同じ内容でOKなもの(というより、同じであるべきもの)もあるはずです。なんでもかんでも新たにつくる必要はないという思考を持ちたいものです。
今週もよろしくお願いします。
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